情報の値段

一文字いくらの電信を打っていた時代と
Web2.0の背景である「チープ革命」が起こっている今とでは、
情報の扱い方は変わったのだろうか?

問題は電信代が高いという点にあった。そこで登場した一つの知恵が「三井物産暗号帳」であった。五文字のアルファベットで長文の電信を凝縮して表現するための辞書のようなもので、最終版の暗号帳は百科事典のような厚さになっており、戦前は軍までが利用していたという。かつて、三井物産の新入社員は最初の数年間、通 信部に配属され、この暗号帳を使いこなせるように鍛えられた。この体験を通じ、商社マンとしての基本的情報感度を磨いたのである。